都会の通勤電車は異常である - すでに触っている

JRのxxx線のラッシュアワーはそれはそれは異常なものです。まず男女入り混じってセックスと同じ程度の距離感で接触するのです。私は両耳にイヤフォンをツッコミ両手でつり革を掴みます。そうしないと黙っていても痴漢になる可能性があるからです。故意にではないとしてもお尻なんかを触るのは必須です。女性専用車両が一両しかないというのは困ったもので完全に分けてしまえばいいと思います。女性だっていやだろうと思うし男性側からしてもヒヤヒヤものです。
もっとも安全な場所は座席です。つまり座ること。しかし腕組みは駄目です。組んだ腕の隠れている方の手で隣の女性のおっぱいを触ることができるのです。手は常に見えるところに置くのが基本です。

痴漢という悪霊とテレパシー

大都会の痴漢はどれぐらいの量になるのか、潜在的な痴漢予備軍を含めてどれぐらいの人数になるのか?というのは統計で出てくる筈もありません。痴漢というのは女性が声を出さない限りなかったことになります。それらを含めて実際に痴漢とよばれる行為がそれぐらいあるのか。そして痴漢という概念は何を境界線として痴漢が成立するのか。
私の奥さんは若い頃に痴漢を呼び寄せる不思議な才能がありました。人間は不思議なもので日常化したことに関してはあまり口を開かなくなるもので、とくにそれが特殊なことであるか平凡なことであるかの判断はできないというばかりかそのような線引は実際問題として非常に難しい。私の奥さんもその例外にもれず痴漢がごく頻繁にあるものだというふうに最終的に認識するに至ったということになります。  
奥さんはここ界隈ではいわゆるお嬢様学校といわれる女子高校出身で、まあ、ステロタイプなおじさんが好むいわゆる女子高生風情というか典型的な女子校生でした。痴漢電車沿いにある学校としても有名です。
週に一回はお尻を触られる、月に一回はおっぱいを触られるというのが日常茶飯事だったそうです。それは30歳直前まで続きました。どうやら痴漢というのは泣き寝入りする女性を直感で嗅ぎ取る能力をもっているらしいのです。いろいろな女性に話を聞いてみるとやはり気丈な女性は一度も痴漢にあったことがない、あるいはもし仮に痴漢などにあったら殺すという程度の心づもりでそういった感触も痴漢に伝わるのか、そのような女性には痴漢がよってこないようなのです。痴漢の常習犯なる人がいるということは少なくともそういった奇妙な嗅覚がある痴漢だけが痴漢として成功しているということになります。
例えば私の場合、少なからずナンパは得意でした。あれも何かとそういった特殊な嗅覚があってほぼほぼ成功し、また話していると「いい友達になれそう」とか「1発セックスして終わり」とか「関わったらやばい」とかいろいろなことがわかるのです。これはナンパに限らず、営業マンの直感であるとか、人と関わるすべての職業の方々が自然に身につける技でもあると思うのです。警察は犯罪者を見抜き、医者は病気を見抜く。芸能事務所のスカウトマンはアイドル性を見抜き、弁護士は冤罪を見抜くなどなどいろいろあると思います。痴漢も例にもれずそういった能力があってしかりだと思います。
奥さんがそういった痴漢の話を私にしたのは実にはじめてのことで、私自身その話を聞いて異常だと思いました。痴漢という行為自体の異常性というよりは痴漢を甘んじて受け入れるその状態が異常だとむしろそう感じたのです。それは一種の悪霊に取り憑かれた状態のように見えました。ひどく否定的に多少ヒステリックに語る奥さんを見ていると、痴漢というよりも彼女のだらしなさに目がいくようになったわけです。これはきちんと声をあげて痴漢を逮捕すべきだと私は思いました。私はどうにかこうにかいろいろ話をしました。痴漢を甘んじて受け入れてしまう理由の一つに恐怖心があるようでした。男性の力には所詮敵わないというわけです。しかしそれは周囲にいる男性に対する信用に対する問題でもあると思いました。少なからず誰かが助けてくれるという信用がない限り嫌な思いと恐怖心は拭い去れないのではないかということです。女性にはいろいろな心配ごとがあることもわかりました。しかしながら勇気を出して声をあげなければいけない旨を私もとくとくと話しました。少なくとも前に進まなくてはならないというわけで、実際に痴漢の被害にあったときは携帯電話のメールでですぐに知らせること。痴漢だと確信した段階で「この人は痴漢です」と声をあげること。たったの2つを勇気を出してやろうということに決めました。
彼女が最初に捕まえた痴漢は20歳の少年でした。彼女もこれならいけると思ったそうです。20歳であることはもちろん捕まえてからわかったことですが、彼女にしてみれば快挙でした。私に電話がきて「今痴漢を捕まえた。近くにいたお兄さんが捕まえてくれた」とのことでした。冤罪の可能性もあるので取り調べは半日以上に及びました。痴漢本人の両親から誕生日からまた3日しかたっていなく(つまり3日前は19歳だった)ので、事件を3日前に起きたことにしてくれないかという打診が弁護士を通してありました。そうすると少年法で裁くことになるので少なくともこれからの社会生活には支障がなくなるのだそうです。弁護士が彼のたった一回の過ちに関して何とかならないだろうかとのことでした。私はもちろんノーと答えて成人として処理する事実に基づいて裁くことを強調しその申し出を断りました。かわいそうといえばかわいそうな話ですが、そこに妥協はありません。
非常に不思議なことなのですが、その1件以来、彼女は一度も痴漢に遭っていないのです。一回もです。これは本当にテレパシー的な何かがあるのではないかと疑うほどピタリとなくなったそうです。行動はすべきだと思います。

痴漢と冤罪 – 男女の悪質な攻防 –

男性側からすれば痴漢の冤罪は酷い話です。反社会的な行為をしてもいないのにしたことにされることは非常に遺憾です。また女性もそのようないたずらをすることが多くなりました。ネット広告や会社の広報でもし痴漢の冤罪で疑いをかけられたときの対処法などが説かれるようになりました。何もしてない男性からすると本当に怖い話です。
男性側の痴漢と男性を痴漢の犯人とする女性側のグレーゾーンがかなり曖昧でここは非常に難しい領域なのです。これはセックスの同意云々と同じように非常に難しい。
法的にはいろいろな規則があるそうです。例えば手の甲で触った場合、これが故意にしろ故意じゃないにしろ法的に痴漢として検挙することが難しいそうです。また最近では女性が来ていた衣服とそ男性の手から採取される布の繊維を調べることができるそうです。この捜査方法はお互いの嘘を見抜けるようです。微量な繊維まで解析できるそうなので、すごいですね。
しかし女性が付近の男性が臭いとかそういった理由で痴漢扱いするというような度を超えた事例やいたずら半分でやったことが大きな裁判になってしまったり、また男性の冤罪が証明されれば女性側にも罰則が与えられるケースもあります。
痴漢冤罪

痴漢の現場

実は今までで痴漢の現場に鉢合わせたことは数回ある。ちょっと遠くの痴漢現場を含めるとかなりの数がある。というのは日本全国で統計上最も痴漢が多いとされる電車に毎日乗っているからである。しかもラッシュ中ofラッシュの実に危険な時間帯である。何も私が痴漢と縁があるというわけでもなく事実上、あの電車に毎日乗っているとしたら事件だらけというわけなのです。
はじめて痴漢が目の前で行われ被害者の女性が「この人痴漢です」と言ったときの自分は正直どうしてよいのかわかりませんでした。田舎から都会に出てきた少年にとってはその現場が現実なのか架空なのかさっぱりわからないという始末なのです。近くにいたおじさんたちはその女性とともに手早く片付けていたのを覚えています。

女性: 「この人痴漢です!」
おっさん1: 「おーおー、こいつ?こいつ?」と女性に確かめる。
女性: 「この人です!」
おっさん2: 「次の駅で下ろすから誰か駅員呼んで!」
入り口近くのおっさん3: 「じゃ、私呼んできます。」

3人のおじさんが次の駅で男を引きずり降ろして、駅員が数人集まり女性と一緒にどこかに消えました。電車の中はすぐに満員の日常へ戻りました。私自身、そういった風景を何度も見ています。
そして、はじめて私が痴漢を捕まえ損ねた話をします。例によって私の背中側で女性が「この人痴漢です!」と言いました。満員電車は非常に静かなものなので彼女は叫んでいるわけでもなく普通にはっきりと「この人痴漢です!」としっかりとした口調で言ったのを覚えています。背中側にいたことから私自身はどのおじさんが痴漢なのかわからないので、女性にどの人が痴漢なのか聞きました。彼女はこの人です!と私の眼の前にいたやや薄汚い男性を指さしました。いわゆるアノラックとかヤッケと言われるような古い形のアウターを着ていて一見浮浪者的な不潔さのあるおじさんでした。安物のリュックサックを背負い、体格の小さな中年男性、いや初老?といったおじさんでした。私は彼の襟首を掴んで例に習って次の駅で降ろす準備をしていました。電車が止まりドアが開いた瞬間に一瞬で私の手を解き入り口とは逆に向かって、つまり電車の中に向かって逃げました。降車する人と逆流して逃げるので降車する人は反射的に彼を避けるように彼の逃げ道を作ってしまったわけです。その逃げ方というのがやはり異常で満員電車の人混みをかき分けて中へ中へ入ってゆくのです。あっという間に隣の車両まで行かれました。私も追いかけましたが、隣の車両まで来て彼を捕まえると、もみ合いになりました。そして隣の車両まで来てしまうと、痴漢のおじさんが異常なのか私が異常なのかわからなくなるのです。私は周囲のみんなにこの男が痴漢であることを伝えました。しかしみんあ無関心で内心迷惑そうな顔をしていたのを覚えています。そして最初の痴漢現場を見ているのは(聞いているのは)少なくとも3〜4m以内の人たちで仮にイヤフォンをして音楽を聞いていたりした場合は至近距離でも気が付かないことさえるのです。隣の車両に逃げることは賢いことだと私もやっとわかりました。取り押さえて次の駅では絶対に降ろして警察に突き出してやろうと思って電車の中ではもう逃げられないように羽交い締めにしていました。次の駅で降ろすタイミングになったときに痴漢のおじさんは入り口の金属製のポールにしがみついてしまったのです。一人の男がその握力で棒に捕まるとなかなか引き剥がすことができません。周囲の男性も協力しようとしませんでした。もみ合っているうちに電車のドアは閉まりまた駅から降ろすことができなかったのです。そのとき一人のおじさんが「お兄さん、女の人はどうした?」と言ってきたので「隣の車両にいると思います。」と説明したところ、「連れてこれるか?」と言いました。「お兄さん、被害者とセットで現行犯じゃないと駄目だよ。たぶん。」そうって私の肩をポンポンと叩きました。そのタイミングで私は力を抜いてしまいました。その瞬間に痴漢はまた一目さんにさらに隣の車両に逃げてしまいました。
完全に失敗して、逆に周囲から迷惑そうな目で見られたのがこのときです。  
今日の朝の痴漢は完全に仕留めてやろうと思いました。  
  
「この人痴漢です!」というしっかりした声と厳しい表情できっぱりと言い放ったのはたぶん私服の女子高生か大学1年か2年といった小柄な女の子でした。その厳粛な印象は直感的にその女の子が被害にあっているという印象を受けました。すでに挙動不審で逃げようとしていた男が目の前にいたのですぐにわかりました。歳は私と同じぐらいの中年男性。たぶん私よりももうちょっと若かったかもしれません。シワのないきちんとスーツを着た男性で髪型もちゃんとしていました。非常にさっぱりとした小奇麗な男性でした。彼の肩越しに非常に厳しい顔をした被害者の女の子の顔が見えました。
すぐさま彼を取り押さえました。例によって周囲の傍観者の多いこと!(なんで?)隣にいたおじさんが「次の駅で降ろすから通路開けて!それと入り口付近の誰か!駅員すぐ呼んできて!」と叫んでくれました。出口付近まで彼を引きずって連れてゆき電車が停止したタイミングで女の子とその声をかけてくれたおじさんと痴漢と4人で電車を降りました。痴漢の男性はやはり逃げる体勢に入ったので私は仕方なく彼をホームの床に倒し寝技から関節技、最終的には柔道の「肩羽締め」で彼の頸動脈を締めることになりました。苦しそうに「うう」と唸っていましたが駅員が来るまでの間は仕方ありません。そのとき、ふとその痴漢の男は逃げるのやめすべてを諦めたように力を抜きました。もうひとりのおじさんが犯人の手にもっていたサラリーマンの革製のバックを手から引き離し奪ったのです。ブラボー!カバンの中には本人を特定できるいくつかの証拠があるだろうと。カバンを取られた彼はすべてを諦めたようです。ブラボー!3人の駅員さんが駆け寄ってきました。駅員さんに事情を話すと3人の駅員さんが私に代わって彼を取り押さえました。数分程度事情を話て、被害者の女性と犯人と駅員さんが事務所に向かってあるき出しました。
ちょっと考え深いというか実際の痴漢捕獲のリアルさで「ああ怖いな」と思ったのは、彼を羽交い締めにして取り押さえている最中に途中からすべてを諦めた彼の絶望的な表情を見てしまったことです。彼がそのときどんな風景を見ていたのか。私はむしろ被害にあった女性のことは何の心配もしていませんでした。若いのにはっきりをものを言い厳しい表情で望む彼女はこの先なんの心配もないだろうと思いました。多少怖い思いをし嫌な思いをしたかもしれないけどとても立派な態度でした。しかしその反対に彼はおそらく普通のサラリーマンな筈です。むしろ背格好や洋服、持ち物からみてかなりちゃんとした会社で働いているような様子でした。ピシッとしたスーツとコート、革製のビジネスバック。彼の絶望的な表情からすると、もしかしたら彼はすべてを失ったのかもしれません。たった数秒、数分、女の子のお尻だかおっぱいだか(そこはよくわかりませんが)を触っただけで何か大切なものをすべて失ってしまったようなその表情です。彼を駅員に引き渡す際には私が絞め技を外してもしばらくホームに突伏したまま動きませんでした。あのおじさんは本当にすべてを失ってしまったのかもしれません。

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